やがて死に至る丁寧な暮らし

いつかまた会おう

寒い

花冷えどころではない。葉桜も目立つこの時期に傘も用をなさない雨風である。

このところ気候がまさにジェットコースターのごとくで、精神にもあまりよろしくない。今日は靴跡だらけの泥濘のような気分だ。


つまらない仕事で意識がぼんやりしてきて夢想をしていた。

野面を撫でた初夏の風を受けて歩く。傍には飼い犬がいる。汗ばむほどに歩き通して、休んではまた歩く。あてもなくどこまでも。日が暮れて沢の水を汲み、パンを分け合い陸を敷く。そうして一日が終わる。

人は常に現実から地続きでない場所を思い、翻って勝手に失望している。

この生活にささやかな笑いと安らぎが欲しい。ちゃんと飯を食うとか、風呂に入るとか、よく眠るとか、そういうことをすべきである。